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Boston Dynamicsのロボットは何がスゴイのか

 

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photo credit: jurvetson See Spot Run — Dog vs. Robot via photopin (license)

 

Boston Dynamicsという会社をご存知でしょうか。

 

アメリカのロボット開発会社で、現状では世界で最も実用的な四足歩行ロボットや二足歩行ロボットを製作していると言えると思います。

 

YouTubeで以下の動画を見たことがあるかもしれませんね。

youtu.be

 

youtu.be


これらのロボットはCGではないんです。全て現実です!

 

ついでに言うなら二つ目の動画の黄色いロボットはspotという製品で、現在企業向けにリースされており、日本でも竹中工務店が実験的に一部の建設現場で実証実験をしたようです。

 

また、最近では鹿島建設が正式に導入したとの話もあります。

www.kajima.co.jp

 

この会社が開発するロボットは何が凄いのか、公開されている情報は少ないんですが、できる限りの解説を試みました。

 

どんな会社か

1992年にMITの教授が設立した企業で、ロボット技術でアメリカの国防産業にも関わったことがあります。2013年にはGoogleの傘下になりましたが、ロボット事業、特に二足歩行ロボットは短期的な利益が見込めないとして、2017年には日本のソフトバンクに売却されました。現在はソフトバンクが株式の100%を保有しているようです。

 

ロボットの他にソフトウェアの販売も行っているようです。

ソフトウェア編

姿勢制御

Boston Dynamicsのロボットはとにかく姿勢制御が優れています。人間に蹴られても凍った地面でも転けずに耐えてしまうのは本当にすごいです。

 

筆者も二足歩行ロボットの姿勢制御を研究していますが、普通のロボットは本当にちょっとした段差などですぐに転んでしまいます。制御の難しさは身をもって知っているつもりなので、尚更驚きの制御能力です。

 

詳しくは分かりませんが、生物をモデルにした制御則を使っていると言われています。機械学習もその一種として利用されているでしょう。

 

ただ、機械学習させたからと言ってここまで姿勢制御が上手くなるわけではありません。様々な工夫が施されているはずです。

 

段差などに咄嗟に反応するには計算速度も重要なのでよほど効率の良いプログラムか高性能のCPUを搭載していることも想像されますね。

マッピング

マッピングとは周囲の障害物を認識し、ロボットの頭の中で地図を作ることです。これが優れていなければロボットは障害物によくぶつかったり、迷子になったりします。

 

ロボットにとって距離感を測るのはとても難しいのですが、Boston Dynamicsのロボットたちはそれを簡単そうにやってのけてしまいます。建設現場で採用されるほどですから、かなり高いレベルでしょう。

ハードウェア編

サーボモータ

サーボモータとは簡単に言えばロボットの関節を動かすためのモータです。

 

普通のモータは回転角度を指定できませんが、サーボモータは角度を指定することでロボットの腕や足の動きを作ることができるという違いがあります。

 

Boston Dynamicsのロボットの文字通りダイナミックな動きは、強力なサーボモータなしではありえません。

 

普通のサーボモータではあの動きはできないです。例えできたとしても負荷が大きすぎてすぐにモータが焦げ付いてしまいます。

 

おそらく自主開発か特注しているのではないでしょうか。少なくとも日本のロボットであれほど動けるものは見たことがない。日本のロボットはハードウェアが優れていると思っていたので、少しショックでもあります。

部品設計

同社の二足歩行ロボットであるアトラスでは部品の製作に3Dプリンタを用いているらしいです。従来の方法では作れない形状を3Dプリンタを用いて実現することで、軽量化したといいます。

 

あくまで実験用なのでコストを度外視して3Dプリンタが使えるということもあるでしょうが、新技術を積極的に利用する点は見習いたいですね。

まとめ

以上、Boston Dynamicsのスゴいところをわかる範囲でまとめてみました。

 

日本はロボット大国なんて言われていましたが、それも昔のことになったみたいで、筆者としては少し悔しい思いもあります。

 

日本では新規事業への投資に対して非常に保守的で、ベンチャー企業が資金を得ることが難しいとよく言われますが、こういうところでも差が出ているのかもしれません。

 

アフターコロナの世界では急速に伸びる可能性がある業界だと思いますし、日本の企業もポテンシャルはあるはずなので、ぜひ積極的に資金を拠出して欲しいと思います。

 

筆者としても、精一杯研究を進めて商用利用できるほどの二足歩行ロボットを早く作りたいです。

 

ではでは、また他の記事でお会いしましょう!